たしかに変わった、サンフレッチェのサッカー

サンフレッチェ、やっと勝った!

5月7日の甲府戦以来、実に8試合ぶりの勝利。もう勝てないんじゃないかとすら思ってしまうほど遠かった。ヨンソン体制としてももちろん初勝利ということで、みんなホッとしたことだろう。

先日のサガン鳥栖戦と昨夜のジュビロ磐田戦を見るかぎり、たしかに“変わった”気がする。パトリックと丹羽という新加入選手が加わっただけではない。戦い方があきらかに変わった。

4バックからの攻撃

もっともわかりやすい変化は、守備陣を3バックから4バックに変えたことだ。ここ2試合では、右から丹羽・水本・千葉・高橋を並べている。これまで3バックに入っていた野上はボランチに上がった。

ヨンソン監督は「攻撃は最大の防御」と攻撃重視のサッカーを目指している。4バックもその現れなのだろう。この2試合を見ても、両サイドの丹羽と高橋が積極的に攻撃に絡んでいる。

特に、左サイドバックを任されている高橋壮也は、ヨンソン体制以後、3試合すべてで同ポジションで先発している。いかに監督が彼を見込んでいるかの現れだ。彼の武器であるスピードと運動量(ほんとうは絵としゃべりも加えたい)は、きっとヨンソン監督の目指すサッカーにマッチしているのだ。高橋壮也は、もしかするとヨンソンの申し子となれるかもしれない。

あわよくば、後ろから駆け上がるスプリントをもっと見たい。カッシー(柏)とうまく絡めれば、広島の左サイドは相手にとってより脅威となるはずだ。

素早い攻撃への切り替え

従来の広島の戦い方といえば、後ろからゆっくりとパスを回しながら相手のスキを突いて崩していく形だった。しかし、ヨンソン体制では、ディフェンスラインでゆっくりと回すパスがほとんど見られない。

ボールを奪ったら、即、前線に送っている。そうすることで、相手は守備体形を整える余裕を失う。すると、青山などから最前線に出るキラーパスが生きてくる。

いままではそこまで素早い攻撃がなかなかできていなかったように思う。したがって、中盤以降の選手がパスの出し所を探すシーンが目についた。

パトリックはさすがの動きを見せた。彼と青山の阿吽の呼吸が昨夜はピタリと合っていた。オフサイドも増えるが、それだけギリギリの飛び出しをパトリックがくり返し試みているのだ。

縦パスが多くなったのと反対に、昨夜はサイドからのクロスはほとんど見られなかった。カッシーもここのところ、クロスを上げるよりも自ら中央に切り込む動きが増えている。これらもこれまでの広島と大きく違う点だ。ミキッチ不在の影響もあるのだろうが、これにミキッチが帰ってくればと考えるのは贅沢か。

森保監督も目指したサッカー

「いい守備をして、素早い攻撃に切り替える」。考えてみれば、これこそ森保監督が今期やろうとし、キャンプから取り組んでいたサッカーだった。しかし、いざリーグ戦が始まると失点が増えたため、従来の下がって守るスタイルに戻し、混乱した。目指した攻撃サッカーが3バックのままでは厳しかったのだ。

皮肉なことだが、ヨンソン監督が4バックという思い切った変更をしたことで、森保監督が当初目指したサッカーに近づけたように見える。選手たちも、「やりたかったのはこれだったのだ」という感触を得ているのではなかろうか。

背番号「8」を待ち望む

次戦はホームでガンバ大阪戦。青山を徹底してマークしてくるのは間違いない。となると、青山と同様、試合をコントロールでき、死角を突くパスを出せる選手をもう一人置きたい。背番号「8」の復帰を待ち望む。

そしてホームでの初勝利とサンフレ劇場をぜひ見たい。

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