郷愁の詩人

『蕪村俳句集』(尾形仂校注/岩波文庫)
『郷愁の詩人与謝蕪村』(萩原朔太郎/岩波文庫)

2014050823290000.jpg

蕪村ヅイてます。

焼酎の話じゃありません。

江戸時代の俳人・与謝蕪村、『恋しぐれ』(葉室麟)の主人公です。

『郷愁の―』は詩人・萩原朔太郎によって昭和初期に書かれた蕪村論。蕪村の句ももちろん趣深いのだけど、朔太郎の文章がまた鮮烈で瑞々しい。なるほど「名著」といわれるはず。

<著者は昔から蕪村を好み、蕪村の句を愛誦していた。しかるに従来流布している蕪村論は、全く著者と見る所を異にして、一も自分を首肯させるに足るものがない。よって自ら筆を取り、あえて大胆にこの書をあらわし、著者の見たる「新しき蕪村」を紹介しようと思うのである。>(序・6-7頁)

当時の主だった蕪村評においては、蕪村の句が「写生主義」であり「印象的」「技巧的」といった面ばかりが強調されていたという。これに朔太郎は正面から反論する。

<僕の断じて立言し得ることは、蕪村が単なる写生主義者や、単なる技巧的スケッチ画家でないということである。(中略)詩人蕪村の魂が詠嘆し、憧憬し、永久に思慕したイデアの内容、即ち彼のポエジイの実体は何だろうか。一言にして言えば、それは時間の遠い彼岸に実在している、彼の魂の故郷に対する「郷愁」であり、昔々しきりに思う、子守唄の哀切な思慕であった。実にこの一つのポエジイこそ、彼の俳句のあらゆる表現を一貫して、読者の心に響いて来る音楽であり、詩的情感の本質を成す実体なのだ。>(27-28頁)

要するに、蕪村は一風景を描写しながら、単なる描写に終わらず、そこに感ずる故郷への郷愁を表現しているのであって、その心情にこそ「ポエジイの実体」が見られるのだ、と言いたいのだろう。

となにやら小難しい話になってますが、ボクは蕪村の描く色鮮やかな風景が好きです。蕪村の世界は、誰もが心に持っている「原風景の世界」という気がします。

菜の花や 昼ひとしきり 海の音

海手より 日は照りつけて 山桜

春雨や 人住んで煙 壁を洩る

絶頂の 城たのもしき 若葉かな

月天心 貧しき町を 通りけり 

一部で好評の【今日の一句】も、ちょっと風流に変わってくるかもしれませんよ。。。

【今日の一句】

2014051008580000.jpg

血気盛ん 元気の秘訣 血と気にあり

変わらんか・・・。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中