『恋しぐれ』(葉室麟)

『恋しぐれ』(葉室麟/文春文庫)

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葉室さんシリーズ、えっと、何冊目だっけ・・・?よく覚えてませんが、、、

今回の主役は江戸時代に活躍した俳人・与謝蕪村

弟子の月渓や友人の画人・円山応挙をはじめ、蕪村の周りの人たちそれぞれの悲喜こもごもを描いた短編集。

残された画や句をもとに、これだけの物語を展開させるのはやはり凄い。

単なる作品として観るのではなく、それが生み出されるまでの人生を見つめる鋭くも温かい眼差し。

解説を見ると、葉室さんは「日本史の中心には文化がある」「文化を理解していかないと、日本史の理解は行き届かない」と語っているそうだ。

日本史の中の文化なんて、高校のときに「名前覚えるの面倒臭いな」で終わってしまっている。

葉室作品を通して、いまになってようやく、そういうものをきちんと観てみたいと思わされています。(誰だ?トシのせいとか言ってるのは!)

ちなみに、蕪村が月渓(またの名を呉春)に書き取らせたという辞世の句、

白梅にあくる夜ばかりとなりにけり

と月渓が10年後に描きあげた『白梅図屏風』との関わりは、あまりに美しく感動的。

ぜひ本物を見てみたいと思わされます。

【今日の一句】

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乗りたくない ときこそ乗ろう 体重計

白梅の句とのギャップが・・・(汗)

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『恋しぐれ』(葉室麟)」への6件のフィードバック

  1. 葉室ワールドは如何でしょうか。
    ハムリンの日本文化について触れられているので2年前講演会にも少しそのような話があったので当日の様子などを書き込みます。

    無理やり用事を作って博多行きを決行、真の目的は葉室麟さんの講演を聴くためで早々に用を済ますと会場の西南学院大学へタクシーを飛ばす。運転手さんから地元の名門校でOBの元チューリップの歌手財津和夫や歌手のミーシャがいるなどと強制的に教わりました。
    会場のチャペル正面には巨大なパイプオルガン(さすがミッションスクール)が鎮座し今話題の直木賞作家をひと目見ようと中高年で溢れていました。
    葉室さんも母校での講演とあって終始リラクッスされた様子で出版での裏話や学生時代の思い出などを話されました。
    学生時代は俳句部に所属されていたそうで、どうりで作品の中に「俳句」「短歌」「漢詩」などが多用されているわけでこのことについて「日本文化の中心に短歌や俳句があり先人の生の証言がある。自分の作品にこれらを引用するのは彼らの思いを伝えたいから」と話され現役学生の後輩達に対しては「初めから成功するとは思わない方がいい。失敗も織り込んだ人生で自分自身を保ち人生を歩んで欲しい」とエールを送り「日本社会は現在いろんな危機に遭遇しているが、このような時こそ日本人はしなやかに生きる力を持っている」とも語られました。
    葉室さんには本当に驚かされます。5年ほど前「銀漢の賦」が出た頃に「時代小説 期待の新星 葉室麟」
    という紹介記事を見てさぞや着物姿の似合う小粋なお姐さんを想像していたら人の良さそうなオジサン登場にビックリ。
    大学では国文科ではなく時代小説とは無縁と思えるフランス語専攻でサルトルやボーヴォワールに憧れていたそうでビックリ。
    AKB48の「たかみな」が好きとニックネームで名指しされまたまたビックリ。
    歴史を掘り起こし勝者でなくとも誇り高く生き抜いた人を描く「葉室麟」なる作家にはまだまだ驚きの「感動」が埋蔵されているようです。

    • ひろ様
      おおっ、これはコメントで終わらせるのはもったいないほど詳細なレポート、誠にかたじけのぅござる。
      へぇ~、俳句部とはさすがにしぶいですね。とにかく葉室作品は漢詩や和歌の使い方が抜群ですもんね。
      おかげでそういうものに惹かれつつあります。
      たしかに「先人の生の証言」として生き生きと伝わってきます。

      「失敗も織り込んだ人生で・・・」
      こういうところに葉室さんの魅力を感じます。
      だからある程度の年齢を重ねないと、味わえないような気もします。

      「このような時こそ日本人はしなやかに生きる力を持っている」
      すごい励ましの言葉ですね。
      日本という国は、いろんな意味で特殊ですが、これからの世界においても何か重要な役割があるのかもしれませんね。

      そうそう、昨年新聞小説を読み始めたときも、ずっと女性作家とばかり思ってました。
      たしかにぽっちゃりオジサンでびっくりでした(笑)
      ところで、「葉室麟」っていう名前の由来がとても気になるのですが、ご存じないですか?
      これも漢詩か何かでしょうかね?

  2. 葉室 麟の由来は知りません。
    本名の本畑雄士よりはペンネームとして良いと思います。
    根掘り葉掘り暴くのもなんですし少しぐらい秘密性を持たせるとしましょうか。

    • ひろ様
      こんなにカッコいい名前なのに、名前の由来がどこにも出てないのは不思議ですね。
      きっと素敵な意味があるんでしょう。
      たしかに、わからない部分があるのも良いですね。
      あ、本名、初めて知りました。

  3. こんにちは
    ご無沙汰しております。
    ペンネーム葉室 麟の由来が分かりましたのでお知らせします。氏の発言のまま

    「よく訊かれるのですが、歴史文学賞応募にあたって五秒で考えたので由来はありません。 葉室という姓と麟という名が好きだっただけです。 麟は勝麟太郎(海舟)の麟です。」

    知らないほうが良かったですか。

  4. ひろ様
    へぇ~、おもしろいですね!5秒って、すごいなぁ。それにしては素晴らしい名前ですよね。
    先日、某国民的作家の小説にチャレンジしてみたのですが、文章が生理的に受けつけられず、早々に挫折しました。葉室さんの美しい日本語がたまらなく恋しくなった次第です、はい。

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