資本のうずまき

『うずまき1・2』(伊藤潤二/小学館)

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ホラー漫画家・伊藤潤二氏による作品。

以前紹介した佐藤優氏の『功利主義者の読書術』(新潮文庫)で、「純粋な資本主義(新自由主義)の本質がよくわかる」と紹介されていたので、図書館で借りて読んでみました。

ボクは、ホラーというのは苦手で、漫画も映画もいっさい見ません。この作品も、そのグロテスクな表現に慣れるまでちょっと時間を要しました。

ホラー作家って、普段どんな人なんでしょうね。とてもまともではいられない気がするのですが・・・。とはいえ、ホラーという形態でこそ伝えられる事もきっとあるということなのでしょう。

内容は、黒渦町という町で次々に起きた「うずまき」に関連した奇怪な事件を、地元の女子高生・桐絵が語るというものです。

うず模様に魅せられた挙句自らの体をうずまきにして変死した恋人の父親、逆にうず模様を見るたびに発狂して狂い死にしたその妻、うず状にしたヘアースタイルで目立つ快感に溺れて疲れ果て死んでしまう女子高生などなど、町全体がうずまきの呪いに覆われていく。

って書いてるだけで気味悪いでしょ!妻に話したら、「朝からそんな話やめて」と嫌がられました(笑)

佐藤氏はこの作品を、マルクスの『資本論』がわからないという人にすすめると言います。「うずまき」に惹き込まれたり、反対に恐怖や疑念を感じたりしながらも、けっしてその中から逃れることができないという状況は、たしかに現代社会そのものといえるのかもしれません。

<「稼ぐが勝ち」、「カネで買えないものはない」という新自由主義がどのような状況をもたらすかを『うすまき』は見事に描いている。>(『功利主義者の読書術』40頁)

世の中を見る一つの切り口として大変面白い作品だと思います。が、気味悪いのが苦手な人にはすすめられません(苦笑)

【今日の一句】

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長針が 少々ずれても 気にしない

時計のうずに巻きこまれないように注意しましょう。

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