『銀漢の賦』(葉室麟)

『銀漢の賦』(葉室麟/文春文庫/第十四回松本清張賞受賞作)

2014021316350000.jpg

昨年、『紫匂う』という新聞小説のことを書きましたが、同じ葉室麟さんの作品。

やっぱり、ええですわ、この人の作品は。

格調高い文章で人間の深い心の機微を描き出す力に、ただただ驚嘆します。

葉室さんの作品をまた読んでみたいと思ったきっかけは、妻の実家から届いた荷物に入っていた新聞。葉室さんの特集記事がありました。こんなことを言っておられます。(2014年2月8日中日新聞夕刊より)

「若い時はサクセスストーリーだけが人生だと思いがちですが、私らの年齢になると、むしろ人生は負けた後から始まるのではないかと思えてくる。落ちた花は二度と咲くことはないけれども、咲かそうとする努力は美しい」

「社会というのは一人の英雄とか豪傑がつくっているのではなく、普通の人が寄り集まって、なんとかかんとか支えている。目立たなくても自分のやるべきことをきちんとやる。結局私は、普通の人が普通に努力して生きていくことが一番大切なんだというごく単純なことが言いたくて書いているんですね」

葉室さんの作品は、たしかにこの言葉を裏付けるような世界が描かれています。

ほかのも読んでみよっと。

【今日の一句】

2014021309370000.jpg

ひざ下が とび出す痛み 「オスグッド」

成長期のスポーツをする子どもに多い症状です。

広告

『銀漢の賦』(葉室麟)」への8件のフィードバック

  1. 葉室麟さんはいいですね。ハムリン全作品を読破してる者ですが読まれるなら余計なお世話と分かっていますが「銀漢の賦」の他は「蜩ノ記」「蛍草」「橘花抄」「川あかり」「柚子の花咲く」「散り椿」等が良かったです。

    葉室 麟ー1951年 北九州市小倉生まれ 西南学院大学 文学部 外国語学科 フランス語専攻卒業
    フクニチ新聞社、KBC九州朝日放送を経て53歳で文壇デビュー、現在注目の時代小説作家。

    • ひろ様
      コメントありがとうございます。
      うわ、全部読まれてるんですね、凄いです!ほぉ、葉室さんの略歴はそのようでしたか。あまり出てなかったものですから、参考になります。ありがとうございます。
      「銀漢―」に次いで『蜩ノ記』を読み終わったところです。読むたびに、このような作家に出会えて良かったと心から思います。ご教示の作品もぜひ読んでいきたいです。
      葉室さんがおっしゃるように、普通の人の誠実な生き様の価値こそ、いまの日本人が見直すべきものではないでしょうか。武士の生き方には、常に「死」を前提にした潔さがありますね。葉室作品は、あらためて真に大切なものに目を向けさせてくれる気がします。
      今後ともハムリン仲間としておつきあいくださいませ。。。

  2. 了解しました。ハムリン仲間としてハムリン先生を応援していきましょう。さて、「蜩ノ記」を読了されたようですが如何でしたか。感想をお聞かせ下さい。

    • ひろ様
      なんとも不思議な小説でした。家譜の編纂という地味な作業を軸にして、よくあそこまで話を展開させられるなと感心します。舞台になっている村の景色が、私の母方の田舎とよく似ており、その点でも親しみが持てました。
      「死」を前提にした武士の生き様が胸に迫ってきますが、言うまでもなく、「死」を前提にしているという意味では我々も同様なのですよね。小説の展開と同じく、じわじわと効いてくる小説のように感じました。

  3. 物語の舞台がお母様の実家の景色に似ていますか。物語では豊後(大分県)が舞台になっていますが、ハムリン先生の頭の中にはモデルとなったイメージがあったそうです。
    秋谷は筑豊の記録文学者ー上野英信さん(京大OBで炭鉱労働者となり炭鉱の実情を記す)。一揆を起こそうとする百姓は炭鉱争議を起こそうとする炭鉱労働者、家族の為に一生懸命に働く源吉は炭住に住む炭鉱労働者の息子だそうです。

    確かに作中に出てくる単語で筑豊を連想させるものがあります。
    瓦岳ー筑豊に実在する香春岳(カワラダケ)
    織江(秋谷の妻)ー筑豊が舞台の「青春の門」主人公伊吹信介の幼馴染の名が織江(映画では大竹しのぶ)
    慶仙和尚ー筑豊にある桂川(ケイセン)町
    「蜩ノ記」-英信さんの奥様の著書の名は「キジバトの記」

    • ひろ様
      おー、マニアックな情報、ありがとうございます。いろいろ意味が込められてるんですね。九州の人ならピンとくるのでしょうか。
      上野さんのことはインタビューでも話されていますね。こういう人の働きにスポットを当てるところがハムリン先生らしいですね。

  4. 「蜩ノ記」に続き又、ハムリン作品が映像化されます。
    NHK総合テレビ木曜時代劇「風の峠~銀漢の賦~」2015年1月15日20時から連続6回放送です。
    出演は中村雅俊、柴田恭平、桜庭ななみ、中村獅童、麻生祐未、吉田羊他  楽しみです。

    • ひろ様
      ホントだ!これは見たい!!
      源五が中村雅俊で、将監が柴田恭平ってことでしょうね、きっと。うん、ぴったりです。
      6回もあるんですねぇ。おおお、ハムリン先生、きてますね~!

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中